1949-05-16 第5回国会 参議院 本会議 第28号
凡そ人間は他人に対しましては同情の空手形を平氣で発行するのが多いようであるということであります。救済しなければならないと叫んでいながら、滔々として路傍の草のごとく弱者を見過している。これであります。政府が又厚生問題となると第一番に削減の対象としておる。未亡人、遺家族等の救済厚生のために、授産所施設とか、保育所とか、母子寮とかの新設には、本年度予算は一文も割当ててはありません。
凡そ人間は他人に対しましては同情の空手形を平氣で発行するのが多いようであるということであります。救済しなければならないと叫んでいながら、滔々として路傍の草のごとく弱者を見過している。これであります。政府が又厚生問題となると第一番に削減の対象としておる。未亡人、遺家族等の救済厚生のために、授産所施設とか、保育所とか、母子寮とかの新設には、本年度予算は一文も割当ててはありません。
凡そ人間は如何なる方面におきましても、公共的理念を重んじ、單に利益のみによつて動くようなことは誠に好ましくないことでありまして、これは革正しなければならないと思うのであります。片山総理は昨日官紀を徹底的に粛正するとお述べになつておりますが、官公吏に公に奉ずるの理念を強化することは、明治維新以來今日程その必要を痛感することはないのであります。